インハウスと制作会社のデザイナーのメリットとデメリット

インハウスと制作会社のデザイナーのイラスト

どうも、インハウスでデザイナーをしているかかかずです。

インハウスのデザイナーになり10年以上経ちましたが、振り返って、同僚や先輩のキャリアを聞き、それらを忘れない内にインハウスのデザイナーと、制作会社のデザイナーは違いについて考えてみました。

今は都内のBtoB企業でインハウスのUIデザイナー 兼 UXリサーチャーと言いながら、広告のクリエイティブ、webデザイン、フロントエンド実装、SEO対策を行っています。

今回は、インハウスデザイナーとして生きてきた自分が、制作会社は空想ごとではなく、同僚から聞いた話と併せ感じたことをお伝えしたいと思います。

インハウスのデザイナー

インハウスデザイナーは、事業会社にその会社専門のデザイナーとして働く人のことです。

業種によっては、パッケージ・LP・サイト・バナーやプロダクトなど、幅広くその商品やサービスに関わるビジュアル全般を作ります。

まずは、インハウスデザイナーとして働くことのメリットとデメリットについてです。

インハウスデザイナーのメリットとデメリット

インハウスのデザイナーのメリット

労務環境や福利厚生が充実している

様々な企業があるので、一概には言えませんが制作会社に比べて労務環境が充実している印象です。

特に制作会社にありがちな、クライアント都合のエンドレスな修正作業や納期の短縮が発生しにくい為、計画的な業務をしやすい環境が多い傾向です。

ユーザーに近いところにいられる

プロダクトに対する改善要望やサービスを利用して良かった体験がユーザーから寄せられ、WEBサイトではGoogle Analyticsなどを使いユーザーの定量・定性の分析を自分で行うことが増え、ユーザーのニーズを知る機会が増えます。

逆に言えばユーザーに近いことで、自分で作った広告やクリエイティブの効果が数字で一目瞭然の為、時にはいい結果ばかりではなく、悪い結果も直接知ることになるため、うれしいことばかりではないかもしれませんが、それだけ醍醐味だったりします。

結果を数値で見てPDCAを回せる

広告代理店が入ることもありますが、ローンチしたLPを実際にヒートマップで見て改修をしたり、プロダクトのNPSを取得してそれらをまとめ改善の要件として開発をしてみたりと、実勢に数値を見て自分の分析内容で施策の実施ができます。

PDCAは、社内のマーケッターやプロダクトマネージャーとも協調して仕事を進めるので色んな知識が得られることもメリットです。

上流工程から加われる

手を動かすデザイン業務だけではなく、営業や、エンジニアやCSの様々な部署のメンバーや、CTOや経営者とのミーティングをする機会が増え、企画の段階から入ることも多くなるので、要件定義の段階から業務に関わる事ができます

インハウスのデザイナーのデメリット

デザイナーの共通言語が使えない

クリエイティブを専門としないメンバーともプロジェクトを一緒に進めていく必要があるため、共通言語を作ることに試行錯誤しているデザイナーも多いです。

例えば「タイポグラフィー」を「文字」に言い換えたり、「ティザー」を「予告」や、「GA」を「PVとかUUの数字を見れるツール」など、面倒がらずに言い換えることが必要で、相手に伝わるための言葉選びが結構重要だったりします。

ミーティングの時間が割合多い

デザインスキルを活かして、社内のメンバーに必要とされる機会が増え、また、一つ一つのプロジェクトのミーティングに時間をとられる事が多くなります

その事で、事業部内の色んなポジションの方とコミュニケーションをとる機会が多くなり、「このミーティングに入って」など、色んな部署からのミーティングの機会に比例して、1日のミーティングの時間が多くなりますが、部門横断の機会が増えるのでミーティングは不可欠です。

色んなトンマナのデザインができない

サービスの基本的なVIやCIに準じたデザインを行う為、色々なトンマナでのデザインを行う事ができませんが、ブランディングに関わることでその範囲を広げることはできます。

幅広いスキルが求められる

企業のクリエイティブの内製の度合いにもよりますが、WEBサイトの場合HTMLで文字の変更や画像の変更の簡易なものは、コーディングしてftpでそのままサーバーにあげる対応をしたり、wordpressのPHPをいじったりと色々な対応を求められることがあります。

スピード感重視の依頼で、外注先に依頼するより自分でやった方が早いな的なものも結構あるので、自然と幅広いスキルが求められる機会が多くなります

制作会社のデザイナー

制作会社のデザイナーは、色々なクライアントの外注先として仕事をするデザインをする人のことです。

次に制作会社のデザイナーとして働くことのメリットとデメリットについてご紹介します。

制作会社のデザイナーのメリット・デメリット

制作会社のデザイナーのメリット

手法やトレンドのキャッチアップが早い

様々な業種のクライアントとの打ち合わせに行くことが多く、社外で新しい価値観や人に触れる機会が多い為、それに比例して自ずと手法やトレンドに触れる機会が多くなります。

ある種、風通しの良い流動的な環境の為、情報が遮断されることもなく身の回りに専門的スキルを持ったメンバーもいることで常にキャッチアップも早くなります

特化したデザインスキルを身につけやすい環境

インハウスのデザイナーは、印刷物のレイアウトを考えたり、ブランドのロゴを考えたりとクリエイティブに関する領域を広く任される場合があり、その領域が逆に自分のデザインキャリアの足枷せになってしまう場合があります。

制作会社のデザイナーはそれが少なく、特化したデザインスキルを身につけたい人にはうってつけの環境です。

デザイナーの共通言語で会話ができる

職場や自分の周りにクリエイティブな技術、WEBに関する知識、デザインの経験を持っている人が多く、大規模なクリエイティブチームを有している企業もあり、社内デザイナーは自分だけということが稀です。

その為、専門的な課題や問題に対して、共通の言語で相談できる人が側にいる為安心感を持って働きやすい環境とも言えます。

色んな業態のクリエイティブを作れる

会社にもよりますが、クライアントのジャンルは様々で、トンマナや勝手が違う多岐に渡る分野のクリエイティブの制作ができ、それにより引き出しの多さや、デザインスキルを磨くことができます

今まで一緒に仕事をしてきた同僚は偶然なのか、この引き出しの多さは羨ましいと思ったことが今まで多々あります。

制作会社のデザイナーのデメリット

労務環境が結構キツい

近年は残業規制の法改正により改善されてきていますが、メンバーが少ない制作会社は、残業時間が多くなる傾向があります

小さなWeb制作会社の場合、Webデザイナーがデザインだけでなくコーディングまで担当するというケースもあり、会社の規模だけでなく、スケジュールがタイトな案件ばかりを請け負っているケースでも残業が多くなりがちです。

納期に追われる

インハウスでも納期はありますが、短納期で無理のある膨大な開発やローンチはしません。

また、エンドレスな修正やクライアントからの督促も少ない傾向を感じます。

時には、進行中の急な要望追加や変更で家に帰れない…こんな制作会社特有?の武勇伝、結構聞きます。

エンドユーザーとの距離が遠い

制作会社は「作ったら終わり」ということがほとんどで、その広告からどれくらいCVが増えたかなどの数字を開示してくれるクライアントは少なく、その効果を数字で見ることが難しくなります。

その為、ユーザーとの距離が遠くなりがちで、ユーザーに対して価値のあるものを提供出来ているのか?というクリエイティブの直接的な効果を知ることが難しかったりします。

結局のところ

自分は結局のところ、インハウスデザイナー一筋のキャリアを目下進んでいる為、ついつい「インハウスの方がいいよ」とも言い出しかねませんが、俯瞰で見ても、どちらが良いということはなく、「将来どんなデザイナーになりたいか」「自分は今どんなキャリアを積むべきか」など、自分がどうした方がいいのかを考えてみることが重要だと思っています。

もしも今、環境に違和感を感じているようであれば、転職エージェントに今後のキャリアを含め、相談をしてみるのもいいかもしれません。

是非、この記事を一つの考えとして参考にしてもらえたら嬉しいです。