著書の究極のマーケティングプランでも、翻訳が日本でのマーケティングの第一人者の神田 昌典さんというマーケッターにはバイブル的書物がある、ダン・ケネディの一言です。
ミスとリーンスタートアップ
この格言の本質とは多少異なりますが、ミスについて考えると、日本の文化は海外と比べ減点主義の評価が多く、ミスをしないノーミス前提社会と言われているものがあり、スタートアップや新しい商品も極力完璧な状態で出そうとしがちです。
海外では、アメリカの起業家エリック・リース氏が、リーンスタートアップを提唱し、中でも2008年に発表された「リーンスタートアップ」は当時大きな注目が集め、今や世界中の企業や個人が実践しています。
これは、アプリが徐々にバージョンアップしていくのと同じで、最初から完璧な状態でスタートをしようと思わない方が、気軽にビジネスや施策を始めることができ、個人としてもミニマムな状態でリリースして、その後改善していく方が学びも多く、結果効率的で効果的にできるケースも多くなると思っています。
終身雇用制で根を張るミスへの恐れ
ハーバードビジネススクールの教授で著名な、エイミー・エドモンドソン氏もミスの弊害と、日本式の終身雇用制度の弊害についてこう説きます。
終身雇用制はもろ刃の剣だと思います。終身雇用制の会社の経営者や管理職は「私たち社員は家族。人間はミスや失敗をするもの。
だから家族が少しぐらい失敗しても許容しよう」と考える傾向が強いですね。
こういう企業文化は、心理的安全性の創出に確実に役立ちます。
その一方で終身雇用制は、社員が過度に不健全な恐れをいだくリスク要因ともなります。不健全な恐れとは、「他人からどう思われているだろうか」を過剰に心配することです。
「私は今後、数十年間、この人たちと一緒に働いていくのだ」と思えば、「その人たちからどう思われているか」を気にするのも無理はありません。そうなれば、自然とリスクをとって挑戦することを回避するようになります。今ここで失敗したら、この先ずっと、「この人はできない人だ」「あのとき周りに迷惑をかけた人だ」という目で見られてしまう恐れがあるからです。
イノベーションは「良き逸脱者」必要 ハーバード教授 より
日本企業の課題は、イノベーションを創出するスピードが遅いことだ、とも言われています。
「ミスを恐れず」とはよく言いますが、このミスへの恐れについて東日本大震災に関する2つの事例が紹介されていますので、さらに詳しい情報を知りたい人は見てみましょう。
[参考] 参考 組織の中の「恐れ」で明暗 ハーバードが見た原発事故ハーバードが学ぶ日本企業