新聞広告の特徴と種類

新聞のイラスト

インターネットの台頭による近年の新聞離れなど発行部数の減少や、デジタル化も進められる新聞ですが、ニュースの提供という社会・公共性をともなう信頼感と、マス媒体としてのボリュームが新聞媒体の大きな特徴で、新聞に載っているという社会・公共性をともなう信頼性が、他のどの広告媒体も及ばない強さとなっています。

全国紙の銘柄朝刊の部数
読売新聞8,277,605
朝日新聞5,656,493
毎日新聞2,502,298
日本経済新聞2,349,693
産経新聞1,401,441
新聞についてまとめてみた。 より

今回は、新聞広告の特徴と種類についてご紹介します。

新聞広告出向のメリット

信頼性と部数の多さ

ブランドの主張や企業広告など、信頼性の裏づけが必要なメッセージ性の高い広告には、新聞広告の持つ信頼性を活用することがもっとも有効で、信頼性のある情報が百万近い購読者に届けられるというインパクトも、新聞広告を出稿する大きなメリットです。

発行部数は減少の傾向がありつつも、部数の多さは1人当たりの広告到達コストを抑えられる利点になり、宅配により確実に媒体が受け手に到違するという点も大きなメリットです。

タイムリーな展開

新開広告はビジュアルとテキストを組み合わせ、商品のスペックなど細かな情報まで綿密に伝えることができ、それを読者が自分のペースで何度でも繰り返し読むことができる媒体です。

近年ではカラー印刷の技術も向上し、グラフィックとしての訴求力も高まり、詳細な情報を伝えられることから、最近ではジャパネットたかたや世田谷自然食品の通信販売の広告など、ダイレクトレスポンスが求められる広告への活用がよく見られます。

そして、新聞は毎日発行されるという特性からこの日に広告を出したいというように、短期間で希望した出稿日を選ぶことができる点も大きな特徴です。

新製品の発売日や施設のオープン、イベントの開催など、今日からスタートというタイムリーな情報を伝えるのに適し、掲載を一面の大きなスペースに出稿すれば、さらにインパクトを高めることもできます。

新聞広告の基盤になる記事下広告

新聞広告にはいろいろな呼び方がありますが、掲載される場所によって大きく2つに分けられます。

記事下に掲載される「記事下広告」、そのほかの記事中の定められたスペースに掲載される「雑報広告」の2つです。

読売新聞記事下広告
写真:読売新聞 記事下広告 より

記事下広告は新聞広告の基盤となる広告で、スペースをページ全体で記事と同じく15(タプロイド版は11)に等分した「段」で区切り、天地を段の数、横幅をページに対する割合として、「全7段」、「半5段」という呼び方で表現します。

効率的に紙面を割り付けるため、15段・10段・7段・5段・3段・2段・1段の段数以外は原則的に用いられません。

記事下広告は通常の商品広告や企業広告に適用される営業広告以外にも、人事募集や出版広告の規格広告謝罪広告死亡広告、法定の選挙広告などに適用される臨時もの広告、行単位で出稿できる人事募集などの案内広告などがあり、これらは営業広告とは料金、掲載面、締切期日の扱いが変わります。

読売新聞記事下広告のキャプチャ
写真:読売新聞の広告ラインナップ より

記事中に設けられる雑報広告

雑報広告は、掲載場所や形状によってさらに固有の名称で呼ばれており、それぞれ別の料金が設定されています。

1面の新聞名のロゴタイプの下に掲載されるものを「題字下(新聞名が横組みでその横におかれる場合は、題字横)」、記事の文中にスペースを設けて埋め込まれるタイプのものを「記事中」や「挟み込み」、記事下のすぐ上の部分に設定するものを「突き出し」といいます。

また、テレビ欄など特殊なレイアウトをしている面には専用のスペースを設けている場合もあります。

雑報広告は小スペースのため情報量には限度がありますが、新聞広告としては料金を抑えられるため、レギュラーで定期的に出稿することができ、商品名や企業名を繰り返し露出し、知名度を向上させることができるスペースとして活用されています。

出稿地域の使い分け

新聞でも有名な全国紙は、本社支社体制を敷いているため出稿エリアを全国とは別に、支社単位で設定することができます。

これらは東京本社版や、大阪本社版といった呼び方が各新聞社別に設定されており、流通や不動産など全国への出稿が必要でない場合には、支社単位の版を使用するのが効率的です。

さらに、全国紙には県版と呼ばれる各都道府県地域レベルの情報を扱う面が設けられており、この面の広告枠は各県版内の出稿となるため、さらに漏れなく出稿することができます。

広告の日的によって新聞広告の出稿地域を設定する場合、それぞれの新聞の配布エリアを使い分けることが必要です。

全国紙と地方紙

地方紙は、都道府県をまたがって広城に配布している中日新聞、西日本新聞、北海道新聞の3つのブロック紙と、都道府県内をエリアとする静岡新聞などの県紙、さらに狭い地域に限定される地域紙に分けられます。

中でも、地域によってブロック紙や県紙は全国紙の販売部数を上回り、各都道府県での到達率を高めるには、ブロック紙や県紙を組み合わせて展開することが重要です。

新聞の面別接触率と広告接触率

朝日新聞社を例にとると、面別接触率は月2回の調査を行なってデータを公表しています。

朝日新聞 面別接触率速報

面別接触率は、新聞の購読者に対してたしかに見た・読んだ人と、見た・読んだような気がする人の割合を算出しており、データは性別・年齢別に整理され、ウェブサイト上で公表しています。

朝日新聞 面別接触率速報のキャプチャ
写真:朝日新聞面別広告接触率 より

広告接触率は、新聞の購読者が個々の広告にどの程度接触しているのかについて、広告をたしかに見た人と、見たような気がする人の合計を接触者と定義して広告接触率を算出しています。

朝日新聞 広告接触率のキャプチャ
写真:朝日新聞面別広告接触率 より

その結果を広告内容×段数別や掲載面×段数別の平均値で公表しています。

新聞広告のこれから

視聴率が調査されているテレビCMに比べて、新聞広告は広告効果に関する指標化が遅れているといわれていました。

またインターネット広告は、より詳細で具体的な指標を容易にとることができます。

近年では、こういった問題を解消するためにデータの整備を新聞各社が進めており、これに加えてデジタル化もあり、従来から存在していた新聞を読んでいる人の割合=新聞到達率に加えて、新聞のどの面が読まれているのか=面別接触率調査や広告がどれだけ見られているのか=広告接触率調査についても、精度の高い最新のデータが提供されるようになったことで、メディアプランニングや効果測定に用いることができるようになってきました。

また、SNSで評判になった2019年の12月の奈良新聞に掲載されたクリーニング モリの15段モノクロ広告ですが、15段広告を贅沢に真っ白に使い、「広告も真っ白じゃないと落ち着きませんでした」とクリーニング屋さんらしいキャッチコピーを入れた思い切った広告がTwitterで話題になり、新聞への広告掲載前後の短期的なものでなく、長期的な展開を可能にしています。

新聞広告という媒体の強いメッセージ性と信頼性によって、より印象に残し、そしてSNSを通して広がっていく可能性を秘めています。

決して簡単なことではありませんが、新聞だけで完結しないクリエイティブを心がけて作っていきたいものです。

参考サイト

参考 【2019年版】新聞の発行部数を新聞社ごとに一覧にしてみた。【朝刊編】新聞についてまとめてみた。
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