Facebookは、GoogleやYahoo!!と同じように、独自の広告配信システムを提供しています。
日本でのFacebookの月間アクティブユーザーは 2,600万人(2019年7月時点)、Instagramは3,300万人(2019年6月時点)と、人気のプラットホームということもあり、広告を配信して効果が期待できるSNSで、この多くのアクセスを集めているFacebookのプラットフォーム内に広告が貼せるのは大変魅力的です。
今回は、Facebook広告の基本と使い所についてご紹介します。
目次
8種類のFacebook広告
Facebook広告の課金システムは主に2種類で、クリック課金(CPC)と、表示数課金(CPM)です。
CPMについては、広告が1000回表示されるのに対して、いくら広告を払うのか、という形で金額を設定でき、場合によってはまったく広告がクリックされなくても広告費を取られてしまうことがあるので注意が必要です。
Facebook広告では、大きく分けて以下の4つの場所に広告を配信することが出来ます。
- Facebook(フェイスブック)
- Instagram from Facebook(インスタグラム)
- Messenger(メッセンジャー)
- Audience Network(オーディエンスネットワーク)
この4つの内、Facebook広告では、広告主の商品やサービスの魅力をより効果的に発信できるよう、様々な広告フォーマットが存在しているため、フォーマット種類は非常に多く、全10種類にも及びます。
ここでは、10種類のFacebook広告のフォーマットについてご紹介します。
画像(バナー)広告
1枚の画像とテキストをメインとした一般的な広告で、他のフォーマットに比べ、istockなどの有料素材サイトなども使用することで比較的簡単に作成することができ、全商材に適しています。
Facebook広告は通常、利用者のフィードに、家族や友達からの投稿と並んで掲載されます。
その為、製品そのものより、製品を利用することでメリットを得ている人を示す画像を表示することが必要です。
また、テキストが多過ぎると気が散ってしまい、広告を見る利用者の数が減ってしまうこともあります。
すっきりとした画像ほどインパクトが強まるため、最も重要な詳細に絞ってテキストを利用しましょう。
デザインの推奨事項
全て表示されるのではなく、広告掲載枠やデバイスによって異なる為、見え方は広告入稿時に広告プレビューで確認しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
メインテキスト | 125文字以内。ですが、1行25文字3行以内に収め、それ以上になると「もっと見る・・・」と表示され、隠れてしまいます。 |
見出し | 25文字 |
説明文 | 30文字。リンクの説明は一部の配置でのみ表示され、表示位置は異なります。モバイルニュースフィードでは、広告を見た人」に響く可能性が高い場合のみ、広告に表示されます。半角30文字を超えるテキストも利用できますが、表示が途中で切れる可能性があります。 |
画廠アスペクト比 | 正方形1 : 1…W1200xH1200px 縦長4 : 5…W1080xH1350px ストーリーズ用9 : 15…W1080xH1920px 横長15 : 9…W1200xH628px |
20%ルール
Facebookの20%ルールとは、Facebookの公式サイトには明確に記載してはいないものですが、広告画像内(面積全体)で、テキスト部分が20%を超えてはいけないというもので、広告表示の推奨のものとして設けられたものとなります。
これに抵触した場合、最悪の場合は広告が掲載されないなど弊害が出る為、テキストオーバーレイツール を使用して事前のチェックが必要でした。
ですが、現在この20%ルールはどうやら廃止の話もあるようです。
現在、テキストオーバーレイツールも停止していますが、facebookの公式ではまだ出ていない為、20%ルールは、引き続き意識して作る必要はありそうです。
動画広告
動画を使用した広告で、ユーザーが見ている画面内に広告が表示されると、自動で動画が再生されます。
画像のバナーに比べて、多くの情報を伝えることができるのに加え、動きがある為、ユーザーの目に留まりやすいという利点があり、全商材にも適している為、最近はこの動画広告が目立って増えてきています。
デザインの推奨事項
項目 | 内容 |
---|---|
メインテキスト | 1行25文字3行以内。これ以上になると「もっと見る・・・」と表示され、隠れてしまいます。 |
見出し | 25文字 |
説明文 | 30文字 ※デバイスによっては途中で文章が切れてしまう可能性もあります。 |
画像アスペクト比 | 正方形1 : 1…W1200xH1200px 縦長4 : 5…W1080xH1350px ストーリーズ用9 : 15…W1080xH1920px 横長15 : 9…W1200xH628px |
動画サイズ | 最大4GB |
動画の長さ | 1秒~ 240分 ※Facebookでは15秒以内が推奨 |
スライドショー広告
スライドショー広告は、3枚〜10枚の静止画をスライドショー形式で表示させる広告フォーマットです。
動画広告に比べてファイルサイズが小さい為、読み込みスピードが早く、デバイスや通信速度を問わずスムーズに見せることができる点も良いところとして挙げられ、画像の表示順番も容易に変更可能なので、工夫できる点もこのスライドショーの良い点です。
デザインの推奨事項
項目 | 内容 |
---|---|
画像アスペクト比 | 正方形1:1 長方形16:9 縦長4:5 |
動画ファイルフォーマット | mov,mp4 |
カルーセル広告
カルーセル広告は、1つの広告内に複数の画像や動画を掲載できる広告フォーマットです。
それぞれの画像や動画に異なるリンクやCTAボタンを設定することが可能なので、色々な魅せ方ができる便利なフォーマットで、ストーリー性やそれぞれ異なる訴求内容を持たせたりと、色々な使い方ができます。
このカルーセル広告は、複数の画像や動画を設定すれば、パフォーマンスの良いクリエイティブを自動的に先頭に持ってきてくれる機能もあるので、迷った場合に使用してみるのもオススメです。
デザインの推奨事項
項目 | 内容 |
---|---|
カード数 | 2〜10枚(ストーリーズは3枚まで) |
アスペクト比 | 正方形1 : 1 ストーリーズ用9 : 16 |
テキスト | 1行につき25文字3列以内 |
見出し | 40文字(推奨は25文字) |
説明文 | 90文字(推奨は30文字) |
画像のファイルフォーマット | .jpg,.png |
画像の最大ファイルサイズ | 30MB |
動画の最大ファイルサイズ | 4GBまで |
動画の長さ | フィード:60秒以内 ストーリーズ:15秒以内 それ以外:240分以内 |
インスタントエクスペリエンス
インスタントエクスペリエンスは、ユーザーが広告をクリックするとフルスクリーンの画面が立ち上がり、シングルページのLPのように画像や動画、記事などといった様々なコンテンツを組み込むことのできるフォーマットです。
画面を傾けて画像を大きく表示したり、商品がタグ付けされたライフスタイル画像をチェックしたり、1件の広告をインタラクティブに操作してさまざまに利用できます。
また、読み込みスピードが早い為、そういったユーザーの離脱を防ぐことも期待でき、全商材で効果的ですが、モバイル専用のフォーマットの広告なので注意が必要です。
コレクション広告
コレクション広告は、画像または動画のメインビジュアルの下に商品画像を4枚並べることで、ユーザーが商品の詳細を画像や動画で確認しながら、スムーズにショッピングができる広告フォーマットで、通販サイトでよく使用されています。
コレクション広告で商品を広告に表示させるには、製品セットを作成するか、個別に広告に追加し、製品の詳細(画像やウェブサイトリンクなど)を4点以上入力する必要があります。
ユーザーが、このコレクション広告をクリックすると、インスタントエクスペリエンスに誘導されます。
ダイナミック広告
過去にユーザーが広告主のサイトを訪問した際の、閲覧履歴・居住地・年齢・性別・つながり・興味関心などのユーザー情報は、ウェブサイトへ実装するFacebookピクセルとFacebookのログイン情報によって集められています。
ダイナミック広告は、これらの情報に応じて個人個人にあった広告を表示してくれるフォーマットです。
コレクション広告と同様、ダイナミック広告でも製品セットの作成が必要です。
通販サイトでよく使用されています。
リード獲得広告
リード獲得広告は、ユーザーのリード情報を獲得することに特化したフォーマットで、インスタントフォームを使い、名前、メールアドレス、電話番号などの連絡先情報を収集できます。
広告をクリック後、外部リンクに遷移せずにユーザー情報を入力させ、全て広告内で完結します。
また、Facebook上に登録されている情報であれば、自動入力機能が適用されるようになっている為、フォーム入力の面倒さを感じて離脱するというユーザーを防ぐこともでき、リード獲得広告で得たユーザー情報をCRMに連携することも可能です。
デザインの推奨事項
項目 | 内容 |
---|---|
アスペクト比 | 正方形1 : 1…W1200xH1200px 縦長4 : 5…W1080xH1350px ストーリーズ用9 : 15…W1080xH1920px 横長15 : 9…W1200xH628px |
テキスト | 1行25文字3行以内 |
見出し | 25文字以内 |
リンクの説明 | 30文字以内 |
画像ファイルタイプ | .jpg,.png |
動画の長さ | 15秒以内 |
動画ファイル形式 | mp4コンテナ |
Facebook広告の抑えておきたい傾向
デモグラフィックデータにより細かく管理が可能
Facebookの特徴は、現在の住所、性別、年齢、学歴、勤務先、交際ステータス(独身、交際中、未婚)など、かなり細かい人口統計学的のデータに基づいた広告を出すことができる点です。
もちろんこれらのデータは、Facebookユーザが自分の情報を正しく入力しているのが前提です。
ですが、現実にはウソのデータを入れているアカウントや、虚偽アカウントなども一部紛れ込んでいるので、完璧なターゲティングにはなっていません。
Facebookの広告にも品質という概念
Facebookの広告にも品質という概念が存在します。
Google 広告やYahoo!プロモーション広告の品質と同様、Facebookでも評価基準は類似しており、広告のクリック率(CTR)が広告の品質に影響しています。
言い換えると、クリックされる広告は割安でユーザに表示され、なかなかクリックされない広告は、品質の悪い広告ということで割高になる仕組みです。
CPMの広告出稿手段も広く使われている
Facebookでは、CPM(Cost Per Mille)という広告手段も一般的に利用されます。
CPMとは、掲成1000回あたりの料金で、CPMを100円に設定すると、1000回広告が表示されるのに100円の広告金額を課金されます。
当然、この金額を高く設定すればするほど、競合の広告よりも広い範囲でFacebookの対象ユーザに広告が表示されることになります。
CPMの問題点は、クリックされなくても表示されるだけで広告金額を払わなくてはならないということで、CPMで高いクリック率を実現できれば、クリック課金のCPCよりも割安でたくさんの広告クリックを得られることもありますが、リスクがある設定ともいえます。
その為、とにかく広告の表示を確保したいという目的で利用するといった方法で用いられることがあります。
広告疲れ
Facebookを利用するにあたって、必ず押さえておかなくてはいけないのは、広告疲れという概念です。
リスティング広告の場合は、特定の検索キーワードの粘界だけに広告が表示されるため、同じ人が繰り返し設定した広告を見る機会がほとんどありません。
一方、Facebookは特定の個人に対して広告を出すものなので、何度も同じ広告を目にすることになります。
そのため、時間が経つにつれて、広告のクリック率が下がるという現象が起こり、広告疲れとは、特定の広告があまりに繰り返し表示され、ユーザーが広告に疲れてしまうことを指します。
この広告疲労の効果的な対応方法は、頻繁に広告の画像や文章などクリエイティブを変更することが必要です。
Facebookの広告は、画像や文書を変更してテストをすることができるので、効果のありそうな画像など、入れ替える必要があります。
絶対的な広告を1つ作るのではなく、そこそこ出来の良い広告をどんどん用意するという考え方が、Facebook広告では重要です。
作る前に参考にしたい広告のコレクションサイト
Facebook広告のデザインは、無数の組み合わせがありそのデザインが広告の効果に与える影響は大きいものです。
いざ、Facebookの広告を実際に作るとなった場合、デザインのイメージが一切湧いていない人にオススメなサイトを2つご紹介します。
Facebook広告のコレクションサイト
Facebook広告集めました。 は、業種ごとにカテゴライズしていますので、業種毎の広告を一覧で見ることが出来ます。
検索して見れる広告ライブラリ
広告ライブラリでは、Facebookのアプリやサービスに掲載される広告を、検索窓にFacebookページ名、トピック、組織名などを入力することでいろんな会社の広告を閲覧することができます。
誰でも無料で利用することができますが、一部の広告はFacebookにログインしていないユーザーや、年齢制限未満のユーザーには広告クリエイティブが表示されません。
参考サイト
参考 ユーザーの広告疲れに立ち向かい、 モバイル広告を成功させるための方法Growth Hack Journal 参考 Facebook広告ガイドFACEBOOK for business