クチコミは、マーケティングを実施するに当たって無視することのできないほどの力があり、バイラルマーケティングは、商品やサービスを利用したユーザーが友人や同僚に紹介するように仕向けるクチコミの力を、インターネットで効果的に活用するマーケティング手法です。
特にWEBでは、SNSやYouTubeなど動画が配信できるサービスが普及すればするほど、バイラルとなるコンテンツを作れば業績が伸び、このクチコミの力がリアルの口コミ以上に強くなる場合があります。
今回は、WEBのクチコミを活かすバイラルマーケティングについてご紹介します。
ハブとバズとクチコミの力
クチコミは、それぞれの人を点にして関係ある何人かと線で結ばれていき、この結ばれた線と点で重要な概念がハブとバズです。
ハブとは、人の中でとくにたくさんの人とつながっている基点になっている人のことで、バズとは、人と人とがクチコミでつながっている線のことで、ネット上のクチコミにおけるハブは、多数のクチコミを発生させる元になる人で、クチコミが発生している状態を人と人が結ばれている線が点滅している状態でいた場合、バズは、点滅している全ての線のことになります。
クチコミの構図とインターネットの構図は似ているという見方もでき、WEBはクチコミのメディアになっているとも考えられ、それほどクチコミ情報が飛び交っています。
例えば、Amazonではパソコン・化粧品・本などの商品に関するユーザーの書き込みやレビューを見ることができ、ブログやSNSの発達は、ユーザーが気軽に製品やサービスについて情報発信することをさらに加速しています。
こうしてユーザーが発信する情報が、ユーザー同士で共有され、購買への意思決定に強い影響を及ぼすようになり、その勢いはリアルなものをはるかにしのぐものです。
レジス・マッケンナ(アメリカのマーケティング専門家・1939~)と言うアップル社の広告を担当した人物の格言で「お客はいい体験をすると、その話を3人に話し、悪い体験をすると10人に話す」という格言があり、悪い経験をしたときは、よほど悔しいとか、残念という感情が働き、これはだれかにでも話さないと気がすまない、おさまらないという心理で、話さずにはいられないという強い衝動が起こるそうです。
自分の周りの人に対してさえこのように、ブログやSNSを使って情報発信するという行動を起こせば、影響を与えるのは10人どころではないのも想像ができます。
この悪い経験を同じ企業から同じように受けた人と共有すれば、さらに悪い情報が加速度的一に伝達されていくことになり、こうなると最悪のシナリオの為、注意が必要です。
良いクチコミを起こす模範的な手法
良いクチコミを起こすには、誠実で真撃に行動を行うことに尽きるとは思いますが、その中でクチコミを意識した行動も必要で、話したくなるUX(ユーザー体験)を作ることなど、これには模範的な手法がありますのでご紹介したいと思います。
価値あるUXの提供
誰かに話したくなるようなUXを作るには、話したくなるような使いやすいデザインや感動的な使い心地を作ることで、購入前後では、Webサイトがとても魅力的に作られていたり販売店での接客が気持ちよいことの経験を作ることです。
ごく当たり前の話になりますが、こうしたプラスの感覚となるような経験や体験を提供することで、ブログやSNSで発信したくなる動機を作ることができます。
ハブを見つけてアプローチする
多数のクチコミを発生させる元になるインフルエンサーのようなハブとなる人を見つけて、その人から紹介してもらうことです。
こういったハブとなる人は、周りの人から信頼されている人でもあるのと同時に、厳しい確かな目を持っています。
このような人にの伝達力はすばらしいものがあり、そういった人に商品を使ってもらうことで、そのきっかけをつかむこともできます。
SNSの活用
ユーザーのSNSの情報発信力を活用して、ハッシュタグで応募するキャンペーンを実施します。
その際に商品についての感想や、極力ポジティブな意見を書いてもらい、ハッシュタグをつけて投稿してもらい、好意的なツイートなどの情報が書かれることで、多くの人の目につきやすくなります。
有名な例で言えば、無印良品が有楽町店の10周年を記念して行われたクチコミキャンペーンです。
「無印といえば、〇〇」という内容をTwitterやFacebookで投稿することで店頭での買い物が10%オフになるという内容で、キャンペーン期間中の売上額は平常時の2倍以上になったとも言われています。
動画の活用
日本でのバイラルマーケティングの成功事例としては、最も有名な事例と行っても良いLOTTEのFit’sの手法です。
Fit’sは2017年従来のテレビ広告ではなく、YouTubeとTwitterで動画を公開してプロモーション活動を行い、またたくまに拡散されました。
実際に、映像の中に登場するダンスを一般の高校生が「踊ったみた」動画をYouTubeに公開するなど、動画再生数はプロモーション開始時点から1ヵ月以内で1,000万回を超えるヒットになったと言われています。