AI×デザインに、PhotoshopとIllustratorのような「王道の組み合わせ」はもうないのかもしれない

AIとデザイン

「AIとデザイン」というテーマで話していると、必ずと言っていいほど「どのツールとどのツールを組み合わせて使っていますか?」という話になります。

最近、この質問についてあらためて考えることがあったので、思ったことを書いておこうと思います。

かつては「Photoshop+Illustrator」が、ほぼ王道だった

昔(と言ってもそんなに昔でもないですが)、Webデザインを含む多くのグラフィック制作の現場では、「Photoshop+Illustrator」という組み合わせが、ほぼ共通言語のように使われていたと思います。

写真やテクスチャの加工はPhotoshop、ロゴやアイコンなどのベクターはIllustrator。役割がはっきり分かれていて、この2本さえ押さえておけば、たいていの案件に対応できました。

ツール自体の入れ替わりも緩やかで、バージョンが変わっても基本的な役割分担は変わらず、「とりあえずこの組み合わせを覚えておけば大丈夫」という安心感があったように思います。

かかかず
かかかず

自分も、最初に教わったのはPhotoshopでした。今思うと、ある意味すごく分かりやすい時代だったんだなと感じます。

今のAI×デザインには、そういう「王道」がない気がしている

一方で、今の「AIとデザイン」の組み合わせを見ていると、PhotoshopとIllustratorのような、誰もが共通して使う「王道の2本」というものは、ほとんど存在しないように感じます。

画像生成、UI生成、コード生成、コピー生成、リサーチなど、それぞれの工程に強いAIツールが次々に登場していて、人によっても案件によっても、使う組み合わせがかなり違います。

これは単純にツールの種類が増えたというより、「デザイン」という仕事そのものが、以前より細かな工程に分かれ、それぞれの工程にAIが入り込むようになったからなのだと思います。

あるツールは画像生成に強く、別のツールはUIのたたき台を作るのが得意。さらに別のAIはコードや文章を扱うのが得意、というように、ひとつのツールですべてを完結させるよりも、目的に応じて複数の道具をつなぐ使い方が自然になってきています。

自分の場合は、今のところFigmaを制作の中心に置いて、MCP経由でAIとつなぐ使い方がかなりメインになっています。

以前であれば、デザインツールとAIツールは別々に開いて、生成した内容をコピーしたり、画像を書き出したりしながら行き来することが多かったと思います。

でもMCPのような仕組みを使うと、Figma上のデザイン構造やコンポーネント、画面情報をAI側から参照したり、その文脈をもとにコードや改善案を考えたりできるようになります。

つまり自分の中では、

「どのAIツールを使うか」よりも、
「普段使っている制作環境に、どうAIを接続するか」

という考え方に少しずつ変わってきました。

Photoshop+Illustratorの頃は「ソフト同士の組み合わせ」が王道でしたが、これからは、

  • Figma × AI
  • Figma × MCP × コード生成
  • Figma × リサーチAI × 実装

のように、自分のワークフローを中心に必要な機能を接続していく形が増えていくのかもしれません。

かかかず
かかかず

自分はいまFigmaを中心にしてMCP経由でAIを使うことが多いですが、これも半年後にはまた変わっているかもしれません。「このツールを覚えればOK」というより、自分の制作フローに何をつなぐかを考える方が大事になってきた気がしています。

なぜ「王道」が生まれにくいのか

理由はいくつか考えられますが、大きいのはツールの進化スピードだと思います。PhotoshopやIllustratorは、何年、何十年という単位で少しずつ機能を積み重ねてきました。

一方でAIツールは、モデルの進化やアップデートのサイクルが圧倒的に速く、半年前の「最適な組み合わせ」が、今ではもう別のツールに置き換わっている、ということも珍しくありません。

もう一つは、AIデザインツールが対象にしている工程の幅そのものです。プロンプトから直接UIを生成する、既存のWebサイトを解析して編集可能な形に変換する、デザインをそのままコードに落とし込む、といった具合に、以前なら別々の職能・別々のソフトが担っていた工程が、1つのAIツールの中に混ざり合っています。

「全部入りの最強ツールを探すより、工程ごとに道具を決める方が現実的」という趣旨の指摘も見かけましたが、これはかなり実感に近い感覚です。

AI×デザインのツールを選ぶときに、意識しておきたい軸

  • どの工程で使うのか: アイデア出し・UI設計・実装・コピーなど、任せたい工程を先に決める
  • 出力形式は何か: 画像・UI・コード・文章など、最終的に欲しいアウトプットの種類で選ぶ
  • 既存の制作フローとの相性: Figmaなど、普段使っているツールと連携できるかを確認する
  • チームでの再現性: 自分だけでなく、チームメンバーも同じ手順で使えるかを考える
  • 更新頻度への耐性: ツールの入れ替わりが早い前提で、乗り換えやすい選び方をしておく

さいごに

PhotoshopとIllustratorのような「これさえ覚えておけば大丈夫」という王道の組み合わせは、少なくとも今のAI×デザインの世界には、もうないのかもしれません。

それは不便であると同時に、自分の作り方に合わせて組み合わせを選べる、という自由度でもあるんだと思います。

今のところは、工程ごとに「今の自分に合うもの」を選びながら、都度アップデートしていくしかなさそうです。

参考サイト

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