プロジェクトをwikipediaで調べると、計画・設計といった言葉が多く並び、事業や業務で期間や目標といったゴールが定められ、事前に業務開始から終了までの計画をしっかり立てた上で実行されるものを指しますが、勘を頼りに手探りで進めるのと、これまでの知識や経験を活用するのとでは、プロジェクトが成功をする確率は大きく異なってきます。
このプロジェクトを、目標へ向けて着実に推進していくためのフレームワークが、プロジェクトマネジメント(PM)でPMに関するノウハウをプロジェクトマネジメント協会が体系化した、PMBOK(ピンボック)ガイドと言われるものがあります。
今回は、プロジェクトマネジメントとPMBOKについてご紹介します。
プロジェクトとは?
プロジェクトは、プロジェクトマネジメント協会が制定しているPMBOKによれば、「独自のプロダクトやサービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」とされていますが、簡単に言えば何らかの目標を達成するための計画を指し、小さな目標の達成のためのものではなく、大きな目標を集団で実行するものを指します。
また、その計画の実現のための個々のタスクの実行までを含めることもありますが、会社などの通常業務や、継続的な運用管理、あるいは改善活動などは、特に開始と終了が定義されていない為、プロジェクトとは呼びません。
PMBOK
PMBOKガイドは、国際的に標準とされているプロジェクトマネジメントの知識体系(ガイド・手法・メソドロジー・ベストプラクティス)です。
建設、製造、ソフトウェア開発などを含む幅広いプロジェクトに適用できるプロジェクトマネジメントの基本の全てが網羅されていますが、ページ数769ページとその多さに加え、中身も難解でPMを学ぼうとPMBOKを入手したものの挫折する人も多く存在します。
※また、複製防止に透かしも入れており読みにくさも結構感じます。
特に内容は抽象的な表現が多く、いきなりPMBOKから入るととっつきにくく混乱してしまう可能性がありますが、世界中で特に成果を上げた方法や、うまくいった方法や考え方を、どの業界でも活用できるよう、用語や表現に注意しながらまとめたものなので、PMBOKガイドを解説する書籍は数多く存在するため、まずはそこから始めてみるものオススメです。
PMBOKプロジェクト
PMBOKプロジェクトは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するための有期性の業務と定義しており、たとえ類似のプロジェクトは存在しても、まったく同一のプロジェクトは存在しない、という考え方が基本になります。
そして、プロジェクトには必ず始まりと終わりがあるということも重要で、繰り返し型のルーティンワークはプロジェクトとして取り扱わず、必ず終わりは何かを定義する必要があり、当たり前のことですが、終わりを考えずにやりっ放しのものはプロジェクトとはいえません。
マネジメントすべき分野と10の知識エリア
PMBOKの最大の特徴は、マネジメントすべき分野(エリア)を10に分類していることで、これらを10の知識エリアと呼びます。
そして各分野を、「立ち上げ」→「計画」→「実行」→「監視・コントロール」→「集結」の五つの段階で実行していきますが、大事なことは、5段階全てを実行することではなく、プロジェクトの内容や規模、環境などに応じて最適化することで、これをテーラリングと呼び、PMではこのように柔軟な発想で、プロジェクト全体を設計することが肝になります。
これらを体系的に身に着けるには、書籍だけでなく、資格取得を目指すのも一つの方法です。
以下の10の知識エリアの確認と併せ、自分に合った勉強方法を見つけて学んでみましょう。
統合
プロジェクト全体の方針を決め、調整する分野が統合マネジメントで、他の9つの知識エリアを統合し、マネジメントする位置づけにあります。
スコープ
スコープマネジメントは、プロジェクトの範囲(=スコープ)を定めた上で、プロジェクトの目標を達成するために必要な成果物とタスクを定義し、目標達成を確実に行うための分野で、プロジェクトの成否に影響する最重要項目とも言われています。
スケジュール
時間当たりの生産性を高めるために時間の管理をする分野が、スケジュールマネジメントです。
コスト
プロジェクトを予算内で完了させるために必要なコストの見積もりや予算設定、コントロールをするのがコストマネジメントで、現実的な予算を設定し、予算を超過しないようにマネジメントを行います。
品質
プロジェクトのプロセスや、プロジェクトによってできた成果物の品質の管理をする分野が品質マネジメントで、プロジェクトの品質は、成果物がクライアントの要求に一致しており、使用に適していることと定義します。
資源
プロジェクトの目的を達成するために人材だけでなく物的資源を調達・管理し、プロジェクトを遂行できるチームを組織する分野が資源マネジメントです。
コミュニケーション
コミュニケーションマネジメントは、ステークホルダーとの適切なコミュニケーションを行うために必要で、具体的にはプロジェクト情報の生成、収集、配布、保管、検索、最終的な廃棄を行い、相手の理解を得ると言う部分が求められます。
リスク
リスクを避けてばかりいると大きなチャンスが得られない可能性も高く、リスクは必ずしも悪いものではないと言う考え方が基本です。
その為、プロジェクトにとってマイナスになるリスクを予防し、コントロールしながら継続的に管理、調整する必要があります。
調達
作業の実行に必要なプロダクト、サービス、所産をプロジェクト・チームの外部から購入または取得する際に、業者の管理をすることを調達マネジメントと定義しており、調達には契約がつきものですが、契約だけがこの領域の目的ではなく、選定から納品の進捗管理、検収まで、調達に必要なすべての管理を行います。
ステークホルダー
ステークホルダーにとって必要な情報を収集し、その保管・伝達を管理する分野がステークホルダーマネジメントです。
参考サイト
参考 プロジェクトとは?進め方のポイントやタスクとの違いを徹底解説backlog