写真の基礎と画像フォーマットの基本

画像フォーマットのイラスト

デザインする上で写真の主な役割は、対象をそのまま見せられるということと、言葉を超えたイメージを伝え、感覚や感情をかき立てられるということです。

写真を使うことでそのイメージをより具体的に共有することができ、写っている以上のことを伝えることができます。

写真は、具体的な目に見える形としての一面と、抽象的な表現の補完ができる二面を併せもち、そのバランスをコントロールして伝えることができるとても便利な表現手段です。

今回は、写真の基礎と画像フォーマットの基本についてご紹介します。

焦点距離と画角

写真は、現実空間を二次元の平面で切り取る表現で、どこからどの範囲までの空間を切り取るのかということがとても重要で、この範囲を角度で表したものを画角といいます

画角を決める要素にレンズの焦点距離があり、焦点距離とは、レンズの中心である主点から一般的に10mmや28mm、50mmや400㎜などといった単位がmm(ミリ)の数値で表され距離のことです

焦点距離が長いレンズを「望遠」、短いレンズを「広角」といい、望遠レンズ(135mm〜)は画角が狭く遠くのものを近くに引き寄せる効果があります。

広角レンズ(〜35mm)は画角が広く、被写体の遠近を強調し、空間を広く見せる効果があり、市販の35mmフルサイズの一眼レフカメラで、焦点距離が50mm近辺のレンズを「標準レンズ」といい、人の目がもっている画角に近い、違和感のない画面をつくることができます。

また、焦点距離をある一定の範囲で変更するこはとができるレンズを「ズームレンズ」、これに対して変更できないレンズを「単焦点レンズ」といいます。

トリミング

特定の部分を見せたくなかったり、逆に強調したかったり、デザインの都合で元写真の細横比を変えなければならない、といったケースでは写真の一部分を切り取ることがあり、使用する部分を目的に合わせて切り取るこの作業のことをトリミングといいます。

写真のもっている力をそのまま活かすには、撮った状態の画角のまま、デザインに用いるのがベストで、元の写真の勢いが死んでしまうということも多々あり、慎重な判断のもと行う必要があります。

逆にトリミングの意図をしっかり見せることに成功すれば、効果的な表現をつくることができます。

被写界深度と絞り

写真のピントは、点や部分ではなく奥行きの面で合わせ、写真のピントが合っているように見える距離の範囲を被写界深度といい、広角レンズはより深く、望遠レンズはこの被写界深度が浅くなります。

被写界深度の浅い写真の例

被写界深度の浅い写真の例

被写界深度の深い写真の例

被写界深度の深い写真の例

この被写界深度が浅い写真は、ピントの合う範囲が狭い為、ピントを合わせたところ以外がボケて見え、写真ではピントの合った部分を強調して、印象的な絵に見せるという効果があり、被写界深度を決める要素がいくつかあります。

一つはカメラの絞り値で、カメラには一度に取り込む光の量を調調整できる絞りと呼ばれる羽根があり、これを閉めることで光の量を減らしていきます。

この光の量はF値という数値で表し、光の量が多く明るいほどF値が小さく、逆に光の量が少なく暗いほどF値は大きくなります。

たとえばF2.8よりF11のほうが被写界深度は深くなり、マクロレンズを絞り開放のF2.8で撮影して、浅い被写界深度を活かしてピントの合う部分と合わない部分ができることで、画面に奥行きを作り花を背景から際立たせたりします。

もう一つは、画角によっても被写界深度は変わり、望遠レンズを使ったほうが広角レンズよりも被写界深度が浅くなり、より奥行きが付きやすくなります。

また、被写体との距離と背景までの距離に差があるほうが、被写界深度の浅さが強調され、背景がボケやすくなります。

被写界深度が浅くなるとピントを合わせるのが難しくなり、とくに動いている被写体などの撮影には不向きでが、美しいボケ味は写真の魅力のひとつで、かつイメージを強調してくれる要素にもなるので、この仕組みはしっかりと把握しておきましょう。

シャッタースピード

撮影する時、カメラは光を取り込むためにシャッターを一定時間開きますが、このシャッターが開いている時間をシャッタースピードといい、シャッタースピードが短い写真は瞬間を切り取ることができるので、速い動きを捕らえることができ、また、手ぶれを抑制することにもつながります。

たとえば風景写真の場合、シャッタースピードに低速を選べば、清らかな川の流れが表現でき、ゆれる花を狙えば風や動感を表現することが可能です。

逆に高速を選んで滝を写せば、清涼感あふれる滝の飛沫をとらえることが可能になります。

シャッタースピードの遅い写真の例

シャッタースピードの遅い写真の例

シャッタースピードの速い写真の例

シャッタースピードの速い写真の例

このシャッタースピードを速くすると、一度に取り込める光の量が少なくなるので、それを補うためには絞りを少なくする必要があり、適正な露出で写真を撮影するためには、理想とするシャッタースピードを決めて、それに対応した絞りを決める方法と、理想とする絞りを決めて、それに対応したシャッタースピードを決める方法があります。

一般的な一眼レフカメラには、あとから決める要素を自動的に設定するモードが備わっており、それぞれ「シャッタースピード優先AE(AE=自動露出)」「絞り優先AE」と呼ばれ、シャッタースピードを遅くしていくと、速い動きを流れるように見せたり、一連の動きを1枚の写真として納めるなどの表現が可能になります。

とくに、1秒以上シャッターを開けたままにする撮影を「長時間露光」といい、天体の動きを撮影するようなときに使用こすぶれをふせぐために三脚などのする方法で、この長時間露光では手ブレを防ぐ為に三脚のカメラを固定する道具が必要になります。

映像素子に関連する画素とISO感度

映像素子

デジタルカメラにおいて感光材料の役割を果たすのが「映像素子」と呼ばれるパーツで、「CCD」や「CMOS」といったイメージセンサーの素材でできています。

この映像素子が大きいほどたくさんの光を取り込むことができるため画質も上がり、プロ用のカメラは最低でも36×24mmの映像素子で、この大きさをフルサイズといい、これを超えるサイズもありますが、それに比例してカメラの価格が高くなります。

画素

映像素子で取り込んだ光は、デジタルカメラでは小さい色の四角として分割して記録され、これを「ピクセル(画素)」といい、映像素子が小さければ1ピクセルあたりの受光量も減り、画質が劣ります。

コンパクトカメラでは「1/2.3型」と呼ばれる6.2mm×4.6mmの小さい映像素子が使われており、小さな映像素子をたくさんに分割しているので、必ずしも画素数が多い=画質が良いわけではなく、画素数よりも、1画素あたりの面積が大きいことが画質を決める上で重要な要素になります。

ISO感度

デジタルカメラでは、映像素子に当たった光は電気信号に変えられて記録され、この電気信号を増幅することで、強い光として記録することができます。

この度合いをISO感度といい、ISO感度を上げることで暗い空間を明るい空間に変えることができますが、比例して写真にノイズ(粒子)が目立ちはじめます

デジタルカメラではISO感度を自由に設定ができ、絞りやシャッタースピードと連携した表現手段のひとつとなっています。

画像解像度

画像解像度は、画像の細かさを表しており、単位としてはある決まった長さの中に何個のピクセルが並ぶかで表します

もっともよく使われるのがインチで、1インチ(=25.4mm)の長さに何個のピクセルが並ぶのかを「ppi(pixelperinch)」で表記します。

デザインではdpi(dot sper inch)いう単位がよく使われていますが、本来「dpi」は印刷表現上の言葉で、ピクセルを扱うPhotoshopなどでは「ppi」を使うのが正しい表記で、デジタル画像の大きさを表す絶対的な数値はピクセル数です。

このピクセル数を使った大きさで割ったものが画像解像度で、同じビクセル数の写真を使う場合、使用サイズが大きいと解像度が低く、使用サイズが小さいと解像度は高くなります。

画像フォーマット

画像データのフォーマットはたくさんありますが、撮影を介して使われる写真のフォーマットで、JPEG・RAWデータ・TIFF・PSDの4種類についてご紹介します。

JPEG

JPEGとRAWのふたつのフォーマットは、カメラ側で記録方法として設定することができますが、JPEGは画像を圧縮して保存する為、データが軽いというメリットがありますが、圧縮により画像が劣化してしまいます。

クオリティの高さよりも、大量に撮影すること、インターネットを介して素早く送ることなどが重視される場合に、JPEGで記録します。

RAWデータ

RAWデータは、映像素子に入った光の情報をそのまま記録しておくフォーマットです。

RAWデータは幅広い情報を記録するため、色調などのさまざまな設定を加えても、最小限の劣化で完成写真に仕上げることができる反面、そのままの形ですぐに見ることができない為、撮影後にPhotoshopや専用のアプリケーションで「現像」することによって、画像ファイルとして扱えるようになります。

閲覧や確認用の見本として、RAWデータと一緒にJPEGデータを記録する場合が多く、デジタルカメラにも「RAW+JPEG」撮影の設定があります。

TIFF

現像された画像の多くは、TIFFフォーマットの完成写真として保存されます。

TIFFはもっとも標準的な画像フォーマットで、圧縮を使わない保存ができ、データの汎用性や色の自由度も高いため、高品質の画像を保存する一般的なフォーマットとして使用されています。

PSD

PSDはPhotoshopのフォーマットで、写真画像そのものに加えて、レイヤーやアルファチャンネル、パスなどの画像編集に関わる多くの情報を同時に保存できます。

圧縮を用いて画像データを軽くすることができますが、可逆圧縮と呼ばれる、完全に元に戻せる圧縮方法の為、画像が劣化することはなく、TIFFで保存された写真データを使ってPhotoshopで色調補正などを行い、PSDで保存しておけば、レイアウトした後でも、補正が行えます。

参考サイト

参考 写真用語集 – 被写界深度Canon