知っておきたいデザインの基本となる5つのレイアウトとパターン

デザインのレイアウトの基本のイラスト

デザインにはセンスが必要というイメージがあるかもしれませんが、デザインには原則や型と言われるものがあり、ノンデザイナーでもこの基本を押さえておくことで、デザインスキルを大いに高めることが可能です。

今回は、多々あるセオリーの中で、まずは知っておきたいデザインの基本となる5つのレイアウトとパターンについてご紹介します。

シンメトリー

シンメトリーは、画面の中央に仮想のラインや点を引き、その軸に対して対称形になるようにエレメン トやオブジェクトを配置する、様式美を強く意識したデザインです。

自然界に完全なシンメトリーはなく、人為的に作り込まれた印象から、安定感や権威、正統性を演出することができます。

シンメトリーを活用したデザイン

シンメトリーは、中央に垂直の軸を持った、左右対称形のものが最もポピュラーですが、その他にも上下対称や点対称の形もあります。

人は対称性を感じられるものに対し、整然とした美しさを感じる為、伝統的な建造物にシンメトリーの構造が多いのはその為です。

シンメトリーの構図をうまく活かすには、配置するエレメントのボリュームに注意が必要で、情報量が多すぎるとその対称性よりも重量感の方が強調され、逆に少なすぎると対称性は感じにくくなってしまいます。

対称性を強調するために、テキストはセンター揃えの形にするか、80年の広告で主流の手法であるカンパコと呼ばれる左右揃えの美しい形で、書体はトラディショナルなもの方が向いています。

写真の要素も対称性を意識して選び、白黒を中心とした彩度の低いグレイッシュなトーンを基調とすることで、より精度の高い印象を与えてくれます。

シンメトリーなデザインは、見る人に安定感を感じさせますが、その反面単調でつまらない印象を与えてしまうことがある為、ポイントになるグラフィックや、色の使い方を工夫しましょう。

シンメトリーのデザイン
  • 左右シンメトリーの広告で、下部を黒で引き締めることで精緻な印象を強調し、文字要素が正確に左右対称の形になっていることにも注目しましょう。
  • シンメトリーは、色がデザインを引き立て、アシメントリーの狙いである安定感や精度感、権威や正統性などを表現するには、色数をあまり多くしない方が効果的になります。
  • 黒や白、濃紺、濃いグリーンなどをベースに、鮮やかで印象的な色を1、2色入れるのがバランスのよい配色です。
  • 配置するエレメントの数が多くなると視線が拡散し、逆少ない場合、対称性の意図が伝わりにくくなってしまいます。
    シンメトリー構造を強調するためには、そのエレメントの数や面積、形状などを厳密にコントロールすることが重要です。

グリッドシステム

画面上に垂直・水平のガイドラインを置き、そのガイドラインによって構成される格子状のグリッドに合わせ、文字や画像などのエレメントを配置するのがグリッドシステムです。

グリッドシステムを上手に活用すれば効率良く綺麗なレイアウトの構築が可能になり、読みやすく整然とした印象のページデザインを実現できます。

グリッドシステムを活用したデザイン

複数のページを持つ書籍や雑誌、パンフレットのレイアウトデザインでは、文章や図版といったエレメントの配置に規則性がある方が読みやすく、見やすくなり、フォーマットと呼ばれる決まった枠型に写真や文字のエレメントをはめ込む方法になります。

ですが、このフォーマットで作成したデザインは、読みやすい反面、ページごと変わりばえしない同じデザインが繰り返されるの為、事務的で単調、面白味がありません。

ページものをめぐり、この相反するデザインへの要望の回答として生み出されたのがグリッドシステムと呼ばれる考え方で、ページ内の任意の位置にガイドラインを設定し、そのラインに沿ってエレメントをページごとに自由に配置します。

グリッドを作成する際に最も重要なのが本文のユニットで、幅と文字サイズ、行間の関係によって、文章の読みやすさが変わります。

また、横方向のラインで要素が揃うことで、整然とした美しさが醸し出され、この方法を使えばページごとの配置にはある程度統一感がありながら、そのエレメントの内容に応じたサイズや配置が可能になります。

グリッドシステムを用いたデザインで、作成するものの内容に応じたグリッドの作成することが非常に重要ですが、グリッドをゼロから作成するのは難しく、仮のグリッドを想定しエレメントを入れてみて、文章の読みやすさや余白、図版の配置が適正に行えるよう、何度も調整を重ねる作業は不可欠です。

グリッドシステムのデザイン
  • グリッドを設定する際に最も重要なのが、コラム幅と呼ばれる本文テキストの幅で、一行に何文字入れるのか、文字のサイズやフォントは何を選ぶのか、行間や隣のコラムとの間隔はどうするのかを共通にして構成を作ることが重要です
  • カタログのようなページものの場合、決まった位置にテキストや図版などのエレメントをはめ込んで行くことで、見る人は読みやすくなりますが、雑誌のように楽しく読み進めることを目的とした媒体には向きません。

余白・ホワイトスペース

ホワイトスペースは、文字や画像などのデザインエレメントが何も入っていない余白と言われる場所を指し、そこには文字通り何もないスペースですが、余白はあらゆるデザインにとって重要なエレメントです。

余白・ホワイトスペースを活用したデザイン

文字や写真の内容と配置にばかり気を取られがちですが、ほとんどのグラフィックデザインで最も面積が大きいのが余白・ホワイトスペースです。

エレメントの美しい配置を考えることは、余白の美しい形を考えることとイコールで、美しい余白を作るためには結果的に空いてしまったという無意識の余白をなくすことです。

満遍なく全体に余白を散りばめるのではなく、エレメントの揃えるべきラインをぴったりと揃え、詰めるべき要素をしっかり寄せて詰め、この作業を徹底することで意図して設けた余白・ホワイトスペースが出来上がります。

この余白・ホワイトスペースには、適度な「間(ま)」を感じさせたり、エレメントに視線を集中させるといった役割もあり、画面の4辺に設けたホワイトスペースは、いわゆる抜け感にもつながります。

ですが、全ての辺で抜けてしまうことは、文字通り間抜けな印象になり、逆に4辺がすべてエレメントに固められると息苦しさを感じてしまう為、どの辺を抜けに使うかを計算して、余白を設けるようにしましょう。

余白・ホワイトスペースのデザイン
  • デザインする中で、エレメントに意識が向くことは当然ですが、バランスチェックを行う際に、意識してエレメント以外の余白を見る時間を作るようにしましょう。
  • エレメントが画面全体に満遍なく広がることで、まとまった余白が生まれず、散漫な印象になってしまいます。
  • エレメントと要素の内容に応じて詰めたり寄せたりすることで、意識的なホワイトスペースを作り出すことができます。
  • 四方全部に余白を作ってしまうことで、緊張感のないデザインに見えてしまい、逆に四方すべてに余白がないのも息苦しくなるためどこかの辺に余白を作っておくとバランスよく感じることができます。

スタンダードなデザイン

どんなグラフィックにも、いわゆる型のようなスタンダードなデザインというものが存在します。

逆に言えば、型にはまったデザインは、新鮮さや驚き、楽しさはあまり感じられませんが、型と呼べるほど繰り返されてきたデザインには、それなりの理由があるものですが、制作物を見ていると、同じような配置の手法や、エレメントの扱いが似ているものがあります。

これらは真似している訳ではなく、見やすさという目的を追い求めた結果似たようなデザインともとれますが、これがデザインの型というスタンダードなデザインにあたります。

型を活用したデザイン

雑誌の中面の場合、読みやすさ、見やすさ、統一感、メリハリといったものをすべて備えたところにこのがあり、雑誌の表紙や本の装丁デザインでは、書店でわかりやすく目立つことや、買って帰りたくなる動機付けがに繋がっています。

この型は、時代とともに多少の変化はありますが、大元の目的が変わらない限り、大幅に変わることはなく、時間をかけて作られてきたデザインのスタンダードには、先人たちの知恵や工夫が凝縮しています。

斬新なイメージは与えにくいかもしれませんが、そのデザインを踏襲してみることは決して悪いことではなくむしろ良いことでこ、の型を学ぶことでいわゆる型破りの新しいイノベーションを起こす可能性さえも含んでいます。

スタンダードなデザイン
  • 雑誌中面ページには典型的な型があり、見出しを右端に配置して目立たせ、本文を読む視線も途切れることないよう、読みやすくレイアウトされています。
  • 文章量のある雑誌の場合、文章の流れが途切れてしまうと、次の文章の先頭がわかりにくくなってしまい、それを避けるようにして文章ばかりを固めて配置してしまうと、素っ気ない印象になってしまいます。適度に図版を挟み、文章の流れが途切れないように心がけましょう
  • ページもののデザインの場合、ページをめくるのが楽しくなるようなメリハリ感を付けることが重要で、同じようなサイズの画像ばかりでは単調でつまらない印象になってしまいます。サイズにダイナミックな大小の変化をつけることを心掛けます。

モジュール

紙面全体を均等に分割し、でき上がったユニットの中にデザイン要素を詰め込むというものがあり、ひとつひとつのデザイン要素のかたまりをモジュールと呼ぶことがあります。

デザインをユニットで分けて考える方法には、画面全体に統一感や整然とした印象が生まれ、構成が考えやすくレイアウト作業を分業しやすいというメリットがあり、これは特にカタログでよく見られる手法です。

モジュールを活用したデザイン

モジュールを活用したデザインを行う上でのポイントは、ユニットをしっかり分けて設計することで、仮に途中で内容が変わってもモジュールのサイズや文字組みの設定は全て共通で使えるものでなくてはなりません

どんな要素が入っても対応ができ、文字数が多い場合、少ない場合の対処法等を考えた上でデザインする必要があります。

そしてもう一つは、ユニットデザインのデメリットである単調さに、どうやってメリハリや見所、華やかさを追加するか、という点です。

最初の設計時にグリッドを細かく分けておき、複数のグリッドを組み合わせてユニットを作る方法であれば、画面に大小のメリハリを生み出すことができ、あるいは、グリッドの周囲に余白を多めに残しておき、そこにタイトルなどのポイントになるデザインを配置する方法があります。

この手法でさらにに華やかさを出したいと思う場合は、背景の色をカラフルにするか、パターンを敷くことで華やかさをより出すことができます。

モジュールを活用したデザイン
  • 細かいグリッドを作成し、そのグリッドを1つ、2つあるいは4つを組み合わせて1つのユニットに合わせて面積を大きくし、さらに他とはトーンの異なる色を使用して際立たせるのも方法です。
  • ユニット部を画面の下、または上や左右に寄せて、四方のどこかに余白を多めに設定し、タイトルデザインを工夫する。あるいはグリッドを細かく設定してその区切り方で面積に変化をつけると良くなります。