イラストや写真をタイルのように隙間無く敷き詰めたデザイン

タイルのデザインのイラスト

風呂場のタイルのように、平面を何らかの要素で隙間無く敷き詰めることをタイリングとも呼び、イラストや写真など、タイル状に並べることによって密度感とリズム感の両方を備えたグラフィックを作成することができます。

このタイリングは、敷き詰めたエレメントの色相やその内容によって、見え方や印象が全く異なります。

今回は、イラストや写真をタイルのように隙間無く敷き詰めた広告のデザインについてご紹介します。

ノスタルジーな印象を与えるデザイン

制作会社 MILKさんが2009年に制作した三菱地所の広告です。

作品である写真をタイル状に並べることで、昔から現在までの一面的でない多角的な日本を表現しています。

多様な写真が並んでいますが、全体の色彩には統一感があるため、画面全体としての一体感もあり、広告としての力強さが感じられます。

均等な矩形で埋め尽くされた、リズム感あふれる仕上がりです。

抜け感のあるデザイン

双葉社が、2015年にカジュアルファッションをテーマにしたムック本のRUDI第2弾の中表紙のページのデザインです。

人間は左右対象のものや、規則性のあるものには安心感を感じます。

逆に規則性のないものは簡単には理解しにくく、またその先に何があるのかを予測することが難しい為、不安を感じます。

タイリングは、その形状にある程度の規則性があることによって、見た人に安心感を与えるデザインですが、規則的すぎると単調でつまらない印象も与えてしまい、かつ色味が多い場合窮屈感を与えてしまいますが、白を基調とした抜け感を出すことで、窮屈感がなく、かつ写真の印象も相まって躍動感のあるデザインになっています。

イラストを使ったデザイン

タイルは矩形とは限らず、イラストでも似たサイズのものが並べばタイリングの効果が生まれます。

こちらは、2013年のITSUMO MOSHIMO 2013キャンペーンで制作された無印良品のグラフィックデザインと、NHKのそなえる防災の特集で作成された防災グッズリストのクリエイティブです。

このように角丸の四角形や円形、あるいはその他の図形でもタイルエレメントにすることが可能で、イラストを使うことで矩形の場合に比べて相互に隙間ができる分、ゆったりとした印象になります。

ストーリーを感じさせるデザイン

写真を多用した広告のデザインで、2017年度読売広告大賞 <健康・くらし>部門最優秀賞を受賞した、パナソニックの広告です。

すべて矩形ではありますが、不定形なタイルを用いてページを埋め尽くしたレイアウトになっています。

このタイルに生活の一コマを思わせるイメージ写真がちりばめられていることで、ドラマチックな印象が感じられます。

写真の色合いもさまざまなものがあるため、彩りも華やかな仕上がりです。

円形のエレメントを使ったデザイン

円形のエレメントとイラストで画面を埋め尽くしたクオール株式会社 採用情報のホームページのファーストビューです。

青の色味で統一したビジュアルがポイントで、矩形以外の形状でもタイリングによって画面に密度感が生まれ、落ち着きのあるビジュアルながらも適度に迫力があるビジュアルに仕上がることがわかります。

タイリングオブジェクトの色数を絞ったことで、真ん中のコピーの文字が引き立って見えます。

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