「ページのトップへ戻るボタン」が、デジタル庁デザインシステムでは非推奨(deprecated)とされている、という話を最近見かけました。
書きました。
— 吉川雅彦 秋ゲムマ両日 (@masahiko888) August 31, 2026
「ページのトップへ戻るボタン」はなぜ非推奨か|吉川雅彦 https://t.co/kQsiqnptDX#アクセシビリティ
理由を調べてみると、アクセシビリティの観点でいくつもの課題が指摘されていて、なるほどと思うことが多かったので、自分の考えと、最近意識している工夫について書いておこうと思います。
目次
「トップへ戻るボタン」に指摘されている課題
具体的には、
- アイコンだけで構成されていてスクリーンリーダーに認識されない
- スムーススクロールの動きがめまいや吐き気の原因になりうる
- ボタンのサイズが小さいと誤タップが起きやすい
- 固定表示によって背景のコンテンツやフォーカスが隠れてしまう
といった課題が挙げられていました。
加えて、Windows・Mac・iOSにはもともとページ上部へ戻る操作が用意されていて、スクリーンリーダーにもショートカットがあるため、ボタン自体の必要性が薄いという指摘もありました。
自分もこの話を読む前から、固定で追従するボタンやバナーに対して、なんとなく苦手意識がありました。理由を体系的に言葉にしてもらえて、腑に落ちた感覚があります。
一方で、記事の中では「身体障害のある方にとって、スクロールの負担を減らせるページトップへ戻るリンクは助かる」という声も紹介されていて、単純に「なくせばいい」という話でもなさそうだと感じました。
自分が最近意識しているのは、画面に固定して追従させるのではなく、フッターの中に「ページの先頭へ」というテキスト・ボタンを置いておくことです。
固定されていないので、コンテンツに重なったり、誤タップを誘発したり、スムーススクロールでめまいを引き起こしたりする心配がありません。スクリーンリーダーにもテキストとして認識されますし、必要な人はフッターまでたどり着けば、いつでも使える状態になっています。
「なくす」か「固定で置く」かの二択じゃなく、footerに忍ばせておくくらいの温度感が、自分にはちょうどいい気がしています。最近の、ちょっとしたマイブームです。
固定UI全般に言えることかもしれない
この話は「トップへ戻るボタン」に限らず、画面に固定して追従させるあらゆるUI(バナーやチャットアイコン、Cookie同意バナーなど)にも当てはまりそうだと感じました。
固定して常に見えるようにすることは、便利さと引き換えに、コンテンツを隠したり、フォーカスを迷わせたりするリスクも一緒に連れてくるものなんだと思います。
固定UIを検討するときに、自分が意識していること
- 本当に固定する必要があるか考える: まずはfooterなど、固定しない置き方で解決できないか検討する
- アイコンだけにしない: テキストラベルを添えて、スクリーンリーダーでも内容が伝わるようにする
- 動きは控えめにする: スムーススクロールなどの演出は、prefers-reduced-motionへの配慮とセットで考える
- タップ領域を十分に取る: 誤タップを防げる大きさ・余白を意識する
- 他の固定要素との重なりを確認する: z-indexやフォーカスが隠れていないか、実際に操作して確かめる
さいごに
「トップへ戻るボタン」が非推奨とされている理由を知って、以前から感じていた違和感の正体が、少し言葉にできた気がしています。
なくすのではなく、footerに静かに置いておく。
今のところ、自分にはこのくらいの距離感がちょうどいいと感じているので、しばらくはこのやり方を続けてみようと思います。

