広告媒体の種類と特徴

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広告を消費者に伝える為に媒介するものが広告媒体で、広告媒体は主にテレビや新聞などのマスメディアを使うマス媒体と、それ以外のOOH(Out Of Home)・SP媒体・インターネットの3つに分けられます

広告媒体
  • マス媒体:テレビ/ラジオ/新聞/雑誌
  • OOHメディア:交通広告/屋外
  • SP媒体:新聞折込/DM/POP広告/映画館/フリーペーパー/店舗内広告
  • インターネット広告:PC/スマホ/モバイル端末

マス媒体は電波を使うテレビ・ラジオと、印刷系の新聞·雑誌に分けられ、4つの媒体で構成されることから4マス媒体とも呼ばれ、マス媒体の利点は、広い地域の多くの消費者に短時間で効率よく情報を伝えることができる点です。

この利点は、他の媒体はマネすることができない強みで、最近は出版業界不況の影響により、一部ではユーザーへの到達力の低下を指摘する声がありますが、いまだ広告媒体の中心であることには変わりありません。

広告出稿の際には、このようなそれぞれの媒体の長所に着目し、短所を補いながら出稿計画をプランニングする必要があり、コンテンツや企画に合った計画が必要で最も難しい部分です。

今回は、広告媒体の種類と特徴についてご紹介します。

4マス以外の媒体の特徴と強み

OOHの媒体は、交通広告と屋外広告に分けられ、マス媒体に比べてターゲットのの条件や量も制約を受けますが、消費者のマス媒体への接触にかかわらず、ターゲットの目に飛び込んでくるという利点があります。

新聞折込やDMなどが分類されるSP媒体は、接触機会がより限定される広告ですが、ターゲットや地域を絞り込むことができ、ある程度予測される行動パターンのなかでどのように接触されるかを意識することで、効果的に活用することができます。

そして、インターネットはエリアを問わずに訴求できる点など、マス媒体に近い特性を持っており、ユーザーと広告主のコミュニケーションなどを介した双方向性の一面を持つ、インターネットの特性をふまえたSEMの検索キーワード連動型広告などの手法は他媒体にはできない部分で、近年は最も存在感を増している媒体です。

2019年の電通の発表によれば、インターネット広告費がテレビメディア広告費を超え、初めての2兆円超えで広告業界の転換点となり、8年連続でプラス成長を遂げ、特に持続的な伸長を続けるインターネット広告費は今も拡大を続けています。

媒体戦略は広告出稿全体の根幹

媒体戦略は広告出稿計画の根幹となる考え方で、ユーザーとのコミュニケーション全体の戦略に基づいて、どの媒体に・いつ・どのくらいの量と回数を広告出稿するかを決めます。

接触率とCPM

媒体戦略は、ターゲットに対して、もっとも効率的に到達することがまず必要で、例えば20代のOL向けの商品を広告する為に、平日の昼の時間帯にテレビCMを流すことは、接触率から考えても明らかにムダで、広告計画の効率を下げることになります。

このように、媒体戦略はターゲットに対して適切で、かつ効率性を意識した戦略を練ることが重要で、この効率はCPM(Cost Per Mille = 千人当たり到途コスト)を指標に用いて比較します。

時期・エリア・媒体の使い方

広告の出稿時期も重要で、コミュニケーション戦略をふまえて、広告出稿量のメリハリをつけます。

この出稿時期は、出稿時期の前半にピークを設定する、徐々に盛り上げて真ん中にピークを持ってくる、ビークを2回に分けるなど、全体の戦略を意識して選択し、他にも、商品の性格や流通戦略に合わせて出稿エリアを設定することや、広告目的や商品特性に基づいて、商品名認知に適した媒体か説得型の媒体のいずれかを選択するなど、媒体の選び方が重要になります。

マス媒体の利点

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌が分類されるマス媒体は、マスという名前の通り、大量到達を可能にする視聴者や読者の量が多いことを最大の強みとしていますが、近年ではインターネットの台頭に伴って、広告におけるマスコミ四媒体の圧倒的な優位性にはかげりが見え始めています。

その中でも、マス媒体がいまだ強みとしている部分について2つご紹介します。

到達効率の高さと速度

到達人数の多さを前提としてマス媒体を用いれば、少ない回数や短い期間の広告出稿でも多くの人数に到達でき、絶対的な出稿コストの高さというマイナス点があるにもかかわらず、到達効率が高くなります。

短期間で到達することによって広告の認知率が早期に高まり、キャンペーンの初速をつけることも可能で、日本全国や三大部市圏など、広いエリアに広告を到達させたい場合にもマス媒体はいまだその強みがあります。

メジャー感を付与

マス媒体を使う最大の利点は、権威のある媒体に広告が掲載されることで、広告主やその商品にメジャー感が付与されることです。

有名な例で言えば、フリマアプリのメルカリが、それまでオンライン広告のリスティング広告が中心で、より大きなマーケティングチャネルとしてテレビCMを選び、2014年から放送を開始することで一気に認知を拡大しました。

メルカリのように当時まだ歴史の浅い企業や急成長企業は、テレビや新聞といったメディアで人々にその企業の広告に接触してもらうことで、企業や商品に対しての認知はもちろん、信頼感が向上する効果があります。

また、企業に歴史があってもターゲットの世代交代が進んで認知率やイメージの低下した商品が、マス媒体で広告することによって再生されることも珍しくもありません。

デザイナーと広告媒体

デザイナーが直接広告の戦略を練ることは、まずありませんが、インハウスのデザイナーであれば、メディアの特性を知ることで、ユーザーとどのようなコミュニケーションを行えばいいのか?が分かり、クリエイティブもより洗練され、ユーザーに分かりやすいコミュニケーションが可能になると思います。

メディアの知識や、情報は常にアップデートされます。

デザイナーも、それまでの情報しか持たないたこつぼ化の状態にならないよう、これからは、マス・デジタルを分けず、常に情報をアップデートし、メディアを横断的に考えることができる能力が求められる世の中になっていくと、2019年の電通の発表によって感じたことです。

参考サイト

参考 2019年 日本の広告費電通
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