全国の制作会社のデザイナーの7つの職種と人数

デザイナーの職種と人数

平成30年経済産業省の調査によれば、デザインの制作会社は、全国に7,289の事業所があり、そこで約30500人のデザイナーが働いており、半数以上がアルバイト・パートなどの雇用形態です。

デザイナーと単に言っても色々な職種に分類され、主に以下の8つに分類されます。

  1. インダストリアルデザイナー・・・・・・機器、スポーツ用品など
  2. グラフィックデザイナー・・・・・・・・ポスター、装丁、パンフレットなど
  3. インテリアデザイナー・・・・・・・・・室内の構成と装飾
  4. パッケージデザイナー・・・・・・・・・箱、商品個装など
  5. ディスプレイデザイナー・・・・・・・・展示構成、店舗・店頭装飾、ウィンドディスプレイなど
  6. テキスタイル、ファッションデザイナー・・・・・・・・カーテン、既製服、鞄、装身具、履物など
  7. マルチメディアデザイナー・・・・・・・デジタルコンテンツ、Web などのオンラインプロダクツなど
  8. その他のデザイナー・・・・・・・・・・クラフト、ジュエリー、看板などのサイン、庭園、建物など

そこで今回は、クラフト・ジュエリーなど「その他のデザイナー」を除いた、全国の制作会社のデザイナーの7つの職種と、正社員として働くデザイナーの人数についてご紹介します。

インダストリアルデザイナー

インダストリアルデザイナーは、大量生産が可能な工業製品の製品開発にデザインとして携わる職業で、工業デザイナーとも呼ばれ、インダストリアルデザイナーという仕事は世界中で活躍ができ、無印良品の「壁掛式CDプレイヤー」、「INFOBAR (iida)」、「スチーム式アロマ加湿器(±0)」の深澤直人氏や、2006年のNewsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出された佐藤オオキ氏など、日本人でも有名な人がたくさんいます。

ユーザー視点で、機能面に優れ安全性が高く、かつ美しい工業製品をデザインします。

生産される流れはプロダクト製品と大きな相違はありませんが、デザインに取り掛かる前に生産や機能などの決まりごとがまとまった仕様書を理解する必要があります。

インダストリアルデザインの現場では、製品の機能や生産コストがデザインに大きく影響するためです。仕様書を踏まえ、かつ製品のコンセプトに沿ったデザインを考えなければなりません。

メーカーの担当者だけでなく、技術者や販売責任者とも密にコミュニケーションをとりながら試作品を制作し、各方面から機能面・安全面・生産コストなどのチェックを終えて、生産に入ります。

インダストリアルデザイナーを志望する場合は、製品メーカーの商品開発部に就職することも多く、インダストリアルデザインを行う個人事務所もありますが、数はかなり少なく、そこで働く人数も自ずと少なくなります。

全国のインダストリアルデザイナーの人数

全国のインダストリアルデザイナーの人数のイラスト

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーとは、パンフレットや広告のような印刷媒体やWebサイトに載せるグラフィックのデザインを行う職業です。一般的には、広告代理店や広告制作会社、デザイン事務所、企業の広報部や制作部などが活躍の場となります。

著名なグラフィックデザイナーでは、言わずもがなの佐藤可士和氏をはじめ、原研哉氏、佐藤卓氏などなど、よくあるデザイナーの知っておきたい・超有名で検索すると絶対と言って良いぐらいに関連記事が多く出てきます。

グラフィックデザイナーの仕事内容は、クライアントの要望をベースとした企画やコンセプトをもとに、訴求すべきターゲット層にマッチするデザインを考案することが主です。経験豊富なグラフィックデザイナーの場合、CMなども含む大規模な広告プロジェクトに関わることも多くなります。その場合はアートディレクターやコピーライター、フォトグラファーなどと連携してデザイン制作を行っていきます。業務未経験の方や経験が浅い方のキャリアステップとしては、まずはアシスタントとして現場で経験を数年積んでから、徐々に仕事の範囲を広げていくのが一般的です。

制作会社などの企業に属して経験と実績を積んだ後に、独立するグラフィックデザイナーもいます。独立しフリーランスとして実績を積んでいくと、グラフィックデザイナーとしてはもちろん、アートディレクターやクリエイティブディレクターとして大手企業の広告制作時にプロジェクトメンバーとして指名されることもあります。

全国のグラフィックデザイナーの人数

全国のグラフィックデザイナーの人数のイラスト

インテリアデザイナー

インテリアデザイナーは、家具、カーテン、照明など内装全般の企画・設計を行い、あらゆる空間を魅力的に演出し、これらの企画や設計に関わるデザイナーです。

個人宅のみならず、オフィスや店舗、ホテル、美術館、学校など、ありとあらゆる空間をトータルで監修し、演出し、デザイン事務所、設計事務所、ハウスメーカー、家具メーカーなど活躍の場はさまざまありますが、実力をつけると独立し、大きな成功を収める人もいます。

全国のインテリアデザイナーの人数

全国のインテリアデザイナーの人数のイラスト

パッケージデザイナー

パッケージデザイナーは、食品、日用品、家電などあらゆる商品のパッケージをデザインするデザイナーで、商品のコンセプトやイメージ、パッケージに使われる素材の特性を適格に理解して、消費者が手に取りたくなるようなパッケージはもちろん、開封がしやすい形状などを考慮する想像力や、観察力の高さも必要です。

パッケージデザイナーは、メーカー系の企業に就職して企業内デザイナーになる道と、デザイン事務所や広告代理店でクライアントから仕事を請け負うデザイナーになる道の2通りが一般的なキャリアだそうです。

全国のパッケージデザイナーの人数

全国のパッケージデザイナーの人数のイラスト

ディスプレイデザイナー

ディスプレイデザイナーは、依頼を受けたクライアントのイメージを汲み取り、デパートや店舗などのショーウィンドウや、展示会場などの限られたスペースの中で、その雰囲気を伝える為の展示、陳列をデザインするデザイナーです。

限られたスペースの中でデザインする為、そのデザインが集客や収益につながるので、販売促進の知識も必要で、展示会専門の会社や、ディスプレイ会社の企画デザイン室やフリーのデザイナーが手がけることもあります。

全国のディスプレイデザイナーの人数

全国のディスプレイデザイナーの人数のイラスト

テキスタイル・ファッションデザイナー

テキスタイル・ファッションデザイナーは、繊維や織りの知識を持ち、服飾やインテリアなどのテキスタイル(=生地)をデザインする仕事で、生地の素材となる糸選び、プリントまたは織りの染色方法、デザイン、加工方法を企画する専門職で、見た目から機能に至るまでが含まれる為、生地に関する深い知識が必要とされます。

服やインテリアは、全ての人が常に触れる為、生活の中でとても身近なデザインのひとつです。

テキスタイル・ファッションデザイナーには、専門知識や技術が必須となる為、大学や専門学校で学ぶことが一般的で、自社のブランドを持っている企業も多い為、制作会社の人数よりは、インハウスのデザイナーの方が比較的多い想像ができます。

全国のテキスタイル・ファッションデザイナーの人数

全国のテキスタイル・ファッションデザイナーの人数のイラスト

マルチメディアデザイナー

平成30年に行われた経済産業省のデザイナーの調査では、デジタルコンテンツ、WEBなどのオンラインプロダクツに関わるデザイナーがこの区分に分類されます。

「UXデザイナー」や「UIデザイナー」など、現在細分化されつつある職種も、この区分に含まれます。

特にプロダクトの開発やWEBサイトの運用、ECサイトのデザイナーなど、この数値には現れてこないインハウスのデザイナーが多い職種かもしれません。

全国のマルチメディアデザイナーの人数

参考サイト

参考 インテリアデザイナーの有名な人・人気のブログ・インスタ【2019年版】キャリアガーデン 参考 パッケージデザイナーの仕事キャリアガーデン 参考 平成30年特定サービス産業実態調査報告書経済産業省大臣官房調査統計グループ
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