参議院のホームページが17年ぶりにリニューアルされ、その落札金額が26万7,710円だったことがSNS上で話題になりました。
参議院ホームページ(https://t.co/2TplHq3THG)のデザインリニューアルを実施しました。
— 参議院審議中継 (@sangiinwebtv) August 28, 2026
平成21年以来となる17年ぶりのデザインの刷新により、視認性・操作性を向上させ、利用者が目的の情報にたどり着きやすいホームページといたしました。
併せて、国会議事堂内を360…
金額の安さそのものへの驚きに加えて、ソースコードの冒頭に付いていた妙に丁寧なコメントが「AIで作られたのでは?」という憶測を呼び、さまざまな声が交わされていました。
今回はそんな話題についてです。
目次
話題になっていたのは「安さ」だけど、気になるのは「品質」
今回の件では、金額の安さに驚く声、既存サイトを活かした改修だからこそ実現できたのではという見方、逆に「その予算感が業界を疲弊させるのでは」という懸念の声など、さまざまな角度からの反応がありました。
ただ、自分が一番気になったのは、金額そのものよりも「このクオリティで公開して良かったのか」という部分です。
安く作れること自体は、悪いことではないはずです。問題になるとしたら、安さの結果として品質が犠牲になっていないか、という点だと思います。
「安いから悪い」ではなく、「安さの結果、どこが削られたのか」を見るようにしたいなと、自分は思っています。
AIを使うこと自体は、問題の本質じゃない
コード中の説明的なコメントを見て「AIで作ったのでは」という憶測が広がっていましたが、AIを使って制作すること自体は、もう特別なことではなくなってきていると思います。
むしろ、限られた予算・期間の中で成果を出すために、AIを積極的に取り入れること自体は、自然な選択だと感じます。
問題になり得るとすれば、AIが出したアウトプットを、そのまま納品物として扱ってしまうこと、そして本来なら人の目でチェック・整形すべき部分が、そのまま残ってしまうことの方だと思います。
今回話題になった「妙に丁寧なコメント」も、内容そのものより「出力をそのまま確認せずに納品してしまったのでは?」という見え方をされたことが、印象を左右した一因なんじゃないかと感じています。
AIの出力を、人の目を通さずにそのまま納品してしまう。これが一番怖いパターンだなと、自分も日々気をつけています。
一般論として、AI活用で品質が崩れやすいポイント
AIを制作に取り入れる案件が増えてきた中で、品質面でつまずきやすいポイントには、いくつかの共通したパターンがあるように思います。
- 出力をそのまま採用してしまい、人によるレビュー・整形の工程が抜け落ちる
- 見た目のチェックはしても、コードやコメントなど「表に出ない部分」までは確認されない
- 短納期・低予算のプレッシャーの中で、確認工程そのものが最初に削られてしまう
- 誰が最終的な品質に責任を持つのかが、曖昧なまま進んでしまう
これは今回の件に限らず、AIを取り入れたどんな制作現場でも起こり得ることだと思います。
AIを活用しつつ、品質を保つために意識したいこと
- 出力を「一次案」として扱う: AIが作ったものを最終成果物とせず、たたき台として扱う
- 表に出ない部分もレビューする: 見た目だけでなく、コードやコメントなど裏側も確認する
- 確認工程を最初に削らない: 短納期・低予算でも、最終チェックの時間は残しておく
- 責任の所在をはっきりさせる: 最終的に誰が品質を保証するのかを、案件の最初に決めておく
- 納品前にもう一度、人の目で見る: 自動化した工程の最後に、必ず人による確認を挟む
さいごに
今回の件を、特定の制作会社や金額そのものへの批判として見るのではなく、「AIを取り入れた制作で、何が品質を左右するのか」を考えるきっかけとして捉えるようにしています。
安さも速さも、AIを使えば当たり前に手に入る時代だからこそ、最後にもう一度、人の目で確認する工程を、自分自身も大事にしていきたいと思います。

