レンタルサーバーのスペックを比較する時に、どの点を見ればいいのかイマイチ分からないという方も多いのではないでしょうか?
安定してサーバーが稼働するかについてや、表示スピードが速いかどうかを判断する一つに、ディスク容量と転送量があります。
この記事では、そんなディスク容量・転送量について
- ディスク容量とは?
- 転送量とは?
- ディスク容量と転送量で見た場合のポイント
の内容で、それぞれの具体的な役割をわかりやすく解説していきます。
目次
ディスク容量
レンタルサーバーにディスク容量とは、何か?どのような役割か?について紹介します。
ページコンテンツの保存数によってデータサイズも変わるため、なるべく余裕をもって選ぶのがおすすめですが、その目安についても知っておくと、比較で選びやすくなります。
ディスク容量とは?
ディスク容量は、さまざまなデータを保存する記憶媒体の容量で、数値が大きければ大きいほどたくさんのファイルを保存することができます。
レンタルサーバーのディスク容量では、主に「Web領域」と「メール領域」に分けられています。
例えば、ConoHa WINGの管理画面では以下のようにそれぞれ使用中のディスク容量が表示されます。
このように、Web領域は画像やHTMLのファイルなど、Webサイトを公開するのに必要なデータを格納する領域です。
このWeb領域とメール領域に保存されるデータ以外には、動的にやりとりされるデータを格納するデータベースもレンタルサーバーのサービスとして提供されています。
ほとんどの場合、このデータベースはディスク容量とは別物で、ディスク容量が圧迫されることはありません。
Webサイトやブログに必要なディスク容量の目安
レンタルサーバーに必要なディスク容量は、用途によって異なります。
以下では、過去に管理人が過去に構築したことがある、静的なページがメインのサイト・個人ブログ・写真がメインのギャラリー系サイトで利用していた容量について紹介していきます。
以下は、以前管理人が3ページの静的ページで構築した際の各ファイルサイズです。
- HTML … 20KB
- 画像ファイル … 10MB前後(ファイル数による)
- CSS,JS … 50KB
3ページでも10MB程度なので、1GBもあれば十分です。
あくまで1サイトあたりなので、複数のペラサイトを運用する場合はそれに応じて容量を計算してみてください。
次に、WordPressでブログのディスク容量です。
- 約300記事(当サイト) … 1.5GB
- 約200記事 … 2.0GB
- 約50記事 … 500MB
多くても、ブログは概ね1〜2GB程度です。
なので、例えば一つのサーバーでブログを5つ運用しても10GB程度なので、各社の最安プランでも問題なく運用できるファイルサイズです。
写真や、動画は比較的サイズが大きめのファイルです。
これらを中心にした場合のギャラリーサイトの場合、ディスク容量は以下の通りです。
- 50ページ … 20GB
- ファイルサーバ … 100GB弱
このように、ちょっとのページ数のサイトでも、ディスク容量を多く使います。
その為、100GB以上のプランを選んだ方が良く、ディスク容量は予めしっかりと確保して、安定的に運用できるだけのディスク容量にしましょう。
HDDとSSDの違い
レンタルサーバーで使われているディスクは、モーターや磁気ディスクを搭載したHDD(ハードディスク)と、USBメモリーと同じように内蔵しているメモリーチップにデータの読み書きを行うSSD(ソリッドステートディスク)の2種類です。
主要8社の標準的なプランで使用しているディスクは、以下の通りです。
サーバー会社 | プラン | ディスク容量 |
---|---|---|
さくらのレンタルサーバさくらのレンタルサーバ | スタンダード | 100GBHDD |
ロリポップロリポップ! | ライト | 160GBSSD |
スターサーバースターサーバー | スタンダード | 200GBSSD |
カラフルボックスカラフルボックス | BOX1 | 150GBSSD |
ヘテムルヘテムル | ベーシック | 200GBSSD |
エックスサーバーエックスサーバー | スタンダード | 300GBSSD |
ConoHa WINGConoHa WING | ベーシック | 300GBSSD |
mixhostmixhost | スタンダード | 250GBSSD |
このように現在の主流はSSDです。
その理由について、以下2点があげられます。
HDDは、データの読出しをする際に円盤ディスクを回転させる必要があります。その為、SSDに比べて読み込み・書き込みに時間が掛かります。
一方SSDは、HDDのように円盤ディスクを回転させる必要がなく、電気的なデータの読み書きだけの為、読み込み・書き込みが高速で完了する等、アクセス速度に関しては抜群に優れています。
HDDは円盤ディスクが回転するパーツで構成されているので、衝撃に弱く、強い衝撃を加えると磁気ヘッドがプラッタを傷つけてしまいます。HDDの各所には他にも繊細な部品が設けられているため、HDDに衝撃を加えることは厳禁です。
一方でSSDは、ディスクなどを内蔵せず、電子回路に電気的なデータの読み書きを行う仕組みの為、衝撃に強いのも特徴のひとつです。
このように、HDDかSSDなのかもチェックする項目の一つにしましょう。
転送量
転送量とは?
転送量とは、Webサイトにアクセスがあった場合、サーバーとそのPCでやり取りされるデータの量を表しています。
仮に、Webサイトのページを表示させたとしましょう。
そのページのHTMLファイルが20KBの場合、ページにアクセスするたびに20KBの転送量が発生します。このHTMLファイルに加え、画像やCSSなどその他のファイルもアクセスがあるたびに転送量が発生するので、転送量もそれに比例して増加します。
各社の転送量上限
転送量には、レンタルサーバー各社毎に転送量上限が設定されています。
サーバー会社 | 転送量上限 |
---|---|
さくらのレンタルサーバさくらのレンタルサーバ | 21TB/月 |
ロリポップロリポップ! | 15TB/月 |
スターサーバースターサーバー | 21TB/月 |
カラフルボックスカラフルボックス | 6TB/月 |
ヘテムルヘテムル | 4.8TB/月 |
エックスサーバーエックスサーバー | 4.5TB/月 |
ConoHa WINGConoHa WING | 24TB/月 |
mixhostmixhost | 18TB/月 |
これらの転送量上限を超過すると、ほとんどの場合超過料金は発生しませんが、以下のような事象が起きます。
- 表示がしにくく、動作が重くなる
- 503エラーで表示ができなくなる
- レンタルサーバー事業者より警告を受ける
レンタルサーバーにも性能の限界があるので、多くの人のアクセスがある場合、転送量は増えることでパフォーマンスも低下していくでしょう。
その為、なるべく転送量で余裕のあるレンタルサーバーを使い、安定したWebサイトの運用をしたいところです。
転送量が超えたまま放置すると、最悪停止してしまう場合があるので注意しましょう。
月間転送量の目安
通常のブログやサイトであれば、少なくとも1TB以上の転送量上限なら問題ありません。
仮に1日100~1,000アクセス程度の場合、1ページのファイルサイズが2MBなら、1日あたりの転送量は5GB〜10GBなので、月間でも多くて300GB程度です。
立ち上げ当初はアクセスがなく、転送量はそこまで意識する必要はないかもしれませんが、今後のことも計算してサーバー選びをしましょう。
ディスク容量と転送量に余裕があるレンタルサーバー
ディスク容量と転送量について、それぞれの役割を説明してきました。
長期運用を考えると、ディスク容量100GB・月間転送量が1TB以上で、かつSSDのディスクは欲しいところです。
また、これに加えてデータベースを無制限に使うことができると、一つのサーバーで複数のブログを運用することができます。
- SSD
- ディスク容量が200GB以上
- 転送量上限に余裕(1TB以上)
- データベースが無制限
これらの条件に合致するレンタルサーバーは、ディスク容量200GB・転送量が1TB以上と余裕があるのは、スターサーバー・ヘテムル・エックスサーバー・ConoHa WING・mixhostの5社です。
以下に詳細をあげていますので、参考にしてみてください。
さいごに
いかがでしたでしょうか。ディスク容量と転送量について解説してみました。
本文ではこの2つを中心とした切り口ですが、これ以外にも「サポートの手厚さ」なども含め、総合的な部分ではConoHa WINGがおすすめですが、いろいろな切り口で検討してもらえたら嬉しいです。
最後に、この記事の内容をまとめると
- ディスク容量は運用するサイトの形態で検討しましょう。
- 転送量の上限は、普通に運用していればどれも問題ない
- ディスク容量と転送量はしっかり確認しておきましょう。
です。
本文で触れたように各社提供されている機能や、プランによるスペックの違いがあるので、少しでもサーバー選びの参考になればと思います。